授乳のあと、なかなか眠れないママへ。睡眠の質を高める5つのポイント〜InstagramやThreadsも楽しみながら、ママ自身の休息を大切に〜

Postpartum Care | 桜わね助産院
赤ちゃんがようやく眠ってくれた。
「さあ、私も少し眠ろう」
そう思ってベッドに入ったのに、なぜか目が冴えてしまう……。
そんな経験はありませんか?
産後は夜間の授乳やおむつ替えで、どうしても睡眠が細切れになりやすい時期です。
授乳が終わっても、赤ちゃんのことが気になったり、頭が冴えてしまったりして、なかなか眠れないこともあります。
今回は、海外の医療機関や睡眠医学の研究を参考に、授乳後の睡眠の質を高めるための5つのポイントをご紹介します。
① 寝室の照明は少し暗めに
夜間の授乳やおむつ替えでは、できるだけ強い照明を避けましょう。
私たちの身体には、光と暗さによって調節される体内時計があります。
夜間に強い光を浴びると、睡眠に関わるホルモン「メラトニン」の働きに影響し、眠りに戻りにくくなることがあります。
米国疾病予防管理センター(CDC)も、睡眠環境を暗く整えることを推奨しています。[1]
授乳ライトや間接照明を上手に活用するのもおすすめです。
赤ちゃんの様子を安全に確認できる明るさを保ちながら、ママ自身も眠りやすい環境を整えてみましょう。
② 室温を快適に保つ
寝室が暑すぎたり寒すぎたりすると、睡眠が妨げられることがあります。
英国の国民保健サービス(NHS)では、乳児の安全な睡眠環境として、室温16〜20℃を目安としています。[2]
これは英国の基準ですので、日本では季節や住宅環境、赤ちゃんの衣服なども考慮する必要があります。
赤ちゃんの胸や背中が熱くなっていないか、汗をかいていないかなども確認してあげましょう。
過度な厚着や寝具による温めすぎにも注意が必要です。
ママと赤ちゃん、どちらにとっても心地よい環境を意識してみてください。
③ InstagramやThreads、見たくなりますよね
赤ちゃんがやっと眠ってくれた。
授乳も、おむつ替えも終わった。
ようやく訪れた、自分だけの時間。
そんなとき、InstagramやThreadsを開きたくなる気持ち、よく分かります。
お気に入りの投稿を眺めたり、友人の近況を知ったり、気になる情報をチェックしたり。
育児中だからこそ、赤ちゃん以外の世界ともつながっていたいですよね。
ママだって、一人の女性として、自分の好きな時間を楽しみたいものです。
ですから、私は「寝る前のSNSは絶対にやめましょう」とは言いたくありません。
ただ、少し気をつけていただきたいことがあります。
「あと一つだけ投稿を見よう」
そう思っていたのに、気づけば30分、1時間……。
そんな経験はありませんか?
米国CDCは、睡眠習慣を整える方法の一つとして、就寝前に電子機器の使用を控えることを勧めています。[1]
画面からの光や、SNSで得られるさまざまな情報によって、眠りたいときにも覚醒が続いてしまうことがあります。
そこで、おすすめしたいのは、SNSを禁止することではなく、上手に楽しむこと。
例えば、
InstagramやThreadsを見る時間を、最初に10分だけと決めておく。
スマートフォンの画面を少し暗くする。
夜間は通知をオフにして、必要な連絡だけ受け取れるようにする。
不安になる育児情報よりも、心が穏やかになる投稿を選ぶ。
眠くなってきたら、スマートフォンも一緒にお休みする。
10分という時間に医学的な根拠があるわけではありませんが、自分で区切りを決めておくことは、ついつい見続けてしまうのを防ぐ工夫になります。
また、画面を暗くしても光や情報による刺激がなくなるわけではありません。
眠りたいときには、スマートフォンを手放すことも大切です。
SNSを楽しむ時間も、眠る時間も、どちらもママ自身の大切な時間。
だからこそ、限られた自分の時間を、心地よく使っていただけたらと思います。
④ 「早く眠らなきゃ」と焦らない
「次の授乳まで、あと2時間しかない!」
「早く眠らないと、明日がつらい!」
そんなふうに考えてしまうことはありませんか?
眠る時間が限られていると、焦ってしまうのも当然です。
けれども、眠ろうと頑張るほど、かえって頭が冴えてしまうことがあります。
米国睡眠医学会(AASM)の診療ガイドラインでは、慢性的な不眠症に対して、睡眠に関する考え方や行動を調整する認知行動療法が推奨されています。[3]
眠れないときには、まず身体の力を抜いて、ゆっくりと呼吸してみましょう。
目を閉じて、肩の力を抜く。
身体を楽な姿勢にして、静かに過ごす。
それだけでも、緊張を和らげるきっかけになります。
もちろん、横になって休むことと、実際に眠ることは同じではありません。
睡眠不足が続く場合には、家族や周囲のサポートを受けて、眠れる時間を確保することも大切です。
⑤ 眠れないときは、身体の力を抜いてみましょう
最後にご紹介するのは、身体をリラックスさせる方法です。
海外では「Military Sleep Method(米軍式睡眠法)」という名称で、身体の力を順番に抜く方法が紹介されることがあります。
ただし、この名称で紹介される方法そのものに、短時間で必ず眠れるという十分な医学的根拠があるわけではありません。
一方、関連するリラックス技法については、睡眠医学の研究が行われています。
米国睡眠医学会の診療ガイドラインでも、慢性的な不眠症に対する治療の選択肢としてリラクゼーション療法が条件付きで推奨されています。[3]
簡単なリラックス方法
額、目元、頬、あごの力を抜きます。
肩をゆっくり下げて、腕や手の力を緩めます。
胸やお腹の緊張を和らげます。
太もも、ふくらはぎ、足先の順番に力を抜きます。
最後に、自然でゆっくりとした呼吸を続けます。
「眠らなきゃ」と焦るよりも、まずは身体が楽になる感覚を大切にしてみましょう。
ママの休息は、決して贅沢ではありません
英国NHSでは、産後の睡眠不足への対処法として、赤ちゃんが眠っている間に休むことや、パートナーや家族と育児を分担することを勧めています。[4]
でも、赤ちゃんが眠ったからといって、必ずしもママが眠れるわけではありませんよね。
洗濯物を片付けたい。
家事を済ませたい。
InstagramやThreadsも見たい。
そして、少しだけ一人になりたい。
どれも自然な気持ちだと思います。
産後は、赤ちゃんのお世話に生活の中心が移り、ママ自身のことが後回しになりがちです。
だからこそ、ときには家事をお休みしたり、誰かに赤ちゃんをお願いしたりして、自分のための時間を確保していただきたいと思います。
なお、赤ちゃんが眠っているときでもママが眠れない状態が続く場合や、強い不安、気分の落ち込みがある場合には、産後うつなどが関係している可能性もあります。
我慢せず、医師や助産師などの医療専門職にご相談ください。
また、授乳中に強い眠気を感じる場合は、赤ちゃんを抱いたままソファや椅子で眠り込まないよう注意しましょう。[5]
桜わね助産院から、ママたちへ
赤ちゃんが生まれてから、毎日一生懸命頑張っているママたち。
赤ちゃんのことを大切に思うのと同じくらい、ご自身の心と身体も大切にしていただきたいと思っています。
「今日は少しだけ、ゆっくり眠りたい」
「一人でお買い物を楽しみたい」
「誰にも気を遣わず、自分の時間を過ごしたい」
そんな気持ちを持つことは、決してわがままではありません。
桜わね助産院では、助産師による乳幼児の一時お預かりサービスをご提供しています。
お仕事やお出かけだけでなく、ご自宅でゆっくり休息を取るためのご利用も歓迎しています。
赤ちゃんを大切にするように、どうかママ自身のことも大切にしてくださいね。
桜わね助産院 杉山
助産師による乳幼児一時お預かり・育児相談
参考文献・参考資料
[1] Centers for Disease Control and Prevention(CDC).(2024)
About Sleep.
米国疾病予防管理センター、2024年5月15日更新。
[2] National Health Service(NHS).(発行年記載なし)
How to dress a newborn baby.
英国国民保健サービス、新生児の衣服・室温・体温調節に関するガイダンス。
[3] Edinger, J. D., et al.(2021)
Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: An American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline.
Journal of Clinical Sleep Medicine, 17(2), 255–262.
[4] National Health Service(NHS).(2026)
Sleep and tiredness after having a baby.
英国国民保健サービス、2026年8月24日最終レビュー。
[5] National Health Service(NHS).(2025)
Sudden infant death syndrome(SIDS).
英国国民保健サービス、2025年11月25日最終レビュー。
本記事は2026年10月13日時点の海外の医学的知見および医療機関の公開情報をもとに作成しています。一般的な健康情報を提供するものであり、個別の医学的診断や治療に代わるものではありません。



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