赤ちゃんには、ママ・パパの顔がどう見えているの?

Baby Care | 桜わね助産院
生まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしていると、
「私の顔、見えているのかな?」
と思ったことはありませんか?
赤ちゃんは生まれた瞬間から光を感じることができますが、視覚はまだ発達の途中です。
大人のように、遠くのものまでくっきり見えているわけではありません。
生まれたばかりの赤ちゃんの世界
新生児の視力は、大人に比べるとまだかなり低く、近年の医学文献では出生時の視力はおよそ 0.05程度 とされています。
遠くのものはぼんやりしていますが、赤ちゃんには比較的見やすい距離があります。
それが、およそ
20〜30cm。
実はこの距離、赤ちゃんがおっぱいやミルクを飲んでいるときの、赤ちゃんの目とママ・パパの顔との距離にとても近いのです。
授乳中にじっとこちらを見ているように感じることがありますが、赤ちゃんにとって、その距離にある人の顔はとても大切な視覚刺激のひとつなのかもしれません。
赤ちゃんの視力は少しずつ発達します
赤ちゃんの視覚は、生まれてから急速に発達していきます。
生後2〜4か月頃になると、両目を一緒に使う力が発達し、顔や動いているものを見つめたり、目で追ったりすることが少しずつ上手になってきます。
さらに月齢が進むにつれて、細かな形や色、奥行きなどを認識する力も発達していきます。
つまり、
「生まれたときから完成された目で見ている」のではなく、赤ちゃんは毎日の生活の中で“見る力”を育てている
ということです。
顔がはっきり見えなくても、赤ちゃんは感じています
ここで大切なのは、
「顔がくっきり見えていない=ママやパパのことが分からない」
という意味ではないことです。
赤ちゃんは視覚だけでなく、
声、匂い、抱っこされたときの感触、体温、授乳中の触れ合い
など、さまざまな感覚を通して周囲の人を感じています。
だから、授乳中や抱っこのときには、特別なことをしなくても大丈夫。
優しく声をかけたり、近い距離で顔を見せたりする日常の関わりそのものが、赤ちゃんにとって大切な刺激になります。
「目で追わないけれど大丈夫?」と思ったら
視覚の発達には個人差があります。
ただし、生後3か月を過ぎても人の顔や物をほとんど目で追わない場合などには、一度小児科や眼科で相談することが勧められています。
AAPOS(米国小児眼科斜視学会)でも、生後3か月を過ぎても十分に追視しない乳児は眼科評価を検討することが示されています。
また、乳幼児期の視覚は脳の発達とも密接に関係しているため、定期健診などで目の状態を確認することも大切です。
桜わね助産院から
赤ちゃんがじっとこちらを見ていると、
「ママの顔、ちゃんと見えているのかな?」
と思うことがあります。
まだぼんやりした世界の中でも、
近くにいる人の顔、優しい声、抱っこのぬくもり。
赤ちゃんは、いろいろな感覚を使いながら少しずつ世界を知っていきます。
赤ちゃんの視覚が発達していく過程を知ると、毎日の授乳や抱っこの時間もちょっと違って見えてくるかもしれませんね。
桜わね助産院 杉山
参考文献
Loh AR, Chiang MF. Pediatric Vision Screening. Pediatrics in Review / pediatric ophthalmology literature.
Bell AL, et al. Screening, Diagnosis, and Treatment of Pediatric Ocular Diseases. Children (Basel). 2022;9.
American Association for Pediatric Ophthalmology and Strabismus(AAPOS). Vision Screening Recommendations.
American Academy of Ophthalmology. Visual Acuity Assessment in Children. EyeWiki, updated 2026.



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