赤ちゃんの突然死「SIDS」とは? 安全な睡眠環境を整えるために

Baby Care | 桜わね助産院
赤ちゃんが安心して眠れる環境を整えることは、大切な命を守るための第一歩です。
乳幼児突然死症候群(SIDS)という病気をご存じでしょうか。
SIDSは、それまで元気に育っていた赤ちゃんが、予兆や明らかな病歴がないまま突然亡くなってしまう、原因不明の病気です。
原因は完全には解明されておらず、確実な予防方法も確立されていません。
しかし、日々の睡眠環境や生活習慣を見直すことで、発症リスクを減らせることが研究からわかっています。
今回は、赤ちゃんの安全な睡眠のために、ご家庭で実践できるポイントをご紹介します。
1.赤ちゃんは「あおむけ」で寝かせましょう
赤ちゃんを寝かせるときは、昼寝も夜間も、1歳になるまではあおむけ寝を基本にしましょう。
うつぶせ寝や横向き寝は、あおむけ寝に比べてSIDSや睡眠中の窒息のリスクを高める可能性があります。
寝返りができるようになっても、寝かせ始めるときはあおむけにします。
なお、自分であおむけからうつぶせ、うつぶせからあおむけの両方向に寝返りできる赤ちゃんは、睡眠中に自分で姿勢を変えた場合、原則として毎回戻す必要はありません。
ただし、寝床には柔らかい物を置かず、安全な環境を整えることが大切です。
2.赤ちゃんの寝床はシンプルに
赤ちゃんの寝床には、できるだけ物を置かないことが大切です。
特に注意したいのは、次のような物です。
枕
クッション
ぬいぐるみ
厚い掛け布団
柔らかいマットレス
ベッドガードや寝返り防止用のクッション
こうした物は、赤ちゃんの顔や鼻、口を覆い、窒息につながる危険があります。
寝具は硬めで平らなものを選び、赤ちゃん専用の安全なベビーベッドなどを使用しましょう。
また、米国小児科学会では、少なくとも生後6か月までは、保護者と同じ部屋で、寝床を分けて眠ることを推奨しています。
3.赤ちゃんを暑くしすぎない
赤ちゃんは大人と比べて体温調節機能が未熟です。
寒さを心配して厚着をさせたり、何枚も布団を重ねたりすると、身体に熱がこもりすぎることがあります。
過度な保温は、SIDSのリスクに関連すると考えられています。
室温や衣類を調整しながら、赤ちゃんが暑くなりすぎないようにしましょう。
確認したいポイントは、
背中や胸が汗ばんでいないか
首の後ろが熱くなりすぎていないか
顔が赤くなっていないか
などです。
手足が少し冷たくても、それだけで寒いとは限りません。
赤ちゃんの胸や背中の温かさ、全身の様子を確認するようにしましょう。
4.妊娠中からの禁煙と受動喫煙の防止
たばこの煙にさらされることは、SIDSのリスクを高める要因の一つです。
妊娠中の喫煙だけでなく、出産後に赤ちゃんが受動喫煙することも避ける必要があります。
赤ちゃんの周囲だけでなく、家庭内や車内も禁煙環境にすることが大切です。
赤ちゃんに関わるご家族全員で、安全な環境を整えていきましょう。
5.無理のない範囲で母乳育児を
母乳で育てられている赤ちゃんは、SIDSの発症リスクが低いことが研究で報告されています。
ただし、母乳育児が難しい場合や、ミルクを選択するご家庭もあります。
母乳でなければ赤ちゃんを守れない、ということではありません。
授乳方法にかかわらず、あおむけ寝や安全な寝具、禁煙環境などを整えることが大切です。
お母さんと赤ちゃん、それぞれに合った授乳方法を選んでいきましょう。
安全な睡眠環境は、毎日の小さな積み重ねから
赤ちゃんを守るために、特別なことをする必要はありません。
あおむけで寝かせること。
寝床をシンプルに整えること。
暑くしすぎないこと。
そして、たばこの煙から守ること。
こうした毎日の小さな心がけが、睡眠中の事故やSIDSのリスクを減らすことにつながります。
桜わねでは、助産師としての専門知識と経験を生かし、赤ちゃん一人ひとりの発達や健康状態に合わせたケアを大切にしています。
赤ちゃんが安心して過ごせること。
そして、お母さんやお父さんが安心して育児に向き合えること。
その両方を、これからも大切にしていきたいと考えています。
桜わね助産院 杉山
参考文献・資料
American Academy of Pediatrics Task Force on Sudden Infant Death Syndrome. (2022). Sleep-Related Infant Deaths: Updated 2022 Recommendations for Reducing Infant Deaths in the Sleep Environment. Pediatrics, 150(1), e2022057990.
Moon, R. Y., Carlin, R. F., & Hand, I. (2022). Evidence Base for 2022 Updated Recommendations for a Safe Infant Sleeping Environment to Reduce the Risk of Sleep-Related Infant Deaths. Pediatrics, 150(1), e2022057991.
Centers for Disease Control and Prevention(CDC). (2024). Providing Care for Babies to Sleep Safely.
こども家庭庁「赤ちゃんが安全に眠れるように ~1歳未満の赤ちゃんを育てるみなさまへ~」



コメント